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2008年10月 の記事一覧

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2008.10.30

《天使(天使のプレリュード)》

        Angelas_convert.jpg
《Angelas(Angelo preliudas)》/ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス/1909年/テンペラ・紙/50.0×53.7cm/リトアニア共和国国M.K.Čiurlionis美術館

2本の橋と、それに続く昇り階段。
階段方向に進む天使たちと、それと反対方向を向いて座る天使がいます。

彼の作品には、橋、アーチ、門などが繰り返し描かれています。
これらは、空間を分割する「境界」。
橋(アーチ・門)を通る前の世界と、その後の世界が異なることを暗喩しているそうです。
この絵は橋の途中ですから、どちらにも属さない、浮いた空間ということになるのでしょうか?

浮いた空間で 漠然と佇(たたず)む1人の天使。
何かを見ているような、見ていないような...どこか虚ろな雰囲気すら かもし出しています。
当時、才能に恵まれながらも、チュルリョーニスは音楽・絵画ともに思うような成果を
挙げることができていませんでした。
天使は、どちらの世界にもうまく属することのできなかった、作者自身の姿なのかもしれません。

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2008.10.29

《おとぎ話(城のおとぎ話)》

      PilisPasaka_convert.jpg
《Pasaka(Pilies pasaka)》/ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス/1909年/テンペラ・厚紙/49.6×67.1cm/リトアニア共和国国立M.K.Čiurlionis美術館

遠い、世界の果てにある平和な城。
夢と現実の狭間に存在する、明るく幻想的な "城のおとぎ話" です。

チュルリョーニス(1875-1911)は、リトアニア出身の音楽家であり、画家です。
この《おとぎ話》も、リトアニアの民間伝承からインスピレーションを得たものであると思われます。

螺旋(らせん)状の城壁を抜けていく道。
アーチを幾度もくぐり抜け、城のいただきへと導かれます。
彼の作品にはアーチのほか、階段や坂道がしばしば登場しますが、それらは"休息や静けさへと上昇する道" をあらわし、また 人間性や世界の原理を間接的に表現しているといわれています。

頂点からは何が見えるのでしょうか。

                                                                

2008.10.26

スロバキアの秋

Autumn-slovakia_convert.jpg
スロバキアの秋/Digital nick氏 撮影/2007年10月

スロバキア共和国がうまれたのは
1993年。
まだ、15歳です。

ここに写る木々、そして撮影者は、
国よりも年上ではないでしょうか。


遠くの山に あかるく透明な虹が
架かっています。

なぐさめるような やさしい秋。

くたびれて固まった心を、とかして
くれるような、穏やかな10月です。




                                                                

2008.10.24

尖晶石(スピネル)

     Spinelles_(Vietnam)_convert.jpg
    大理石脈石上のハート型スピネル(ヴェトナム産)/Géry Parent 氏所有・撮影/2007年10月19日

スピネル(spinel)の名前は、ラテン語のトゲ(spina)が由来。
立方晶系に属し、結晶の先端が尖っているところから、この名前がついたようです。

イギリスには、「黒太子のルビー」と呼ばれるスピネルがあります。
1367年、エドワード黒太子(Edward, the Black Prince)が、カスティーリャ王国 ペドロ1世より
譲り受けたといわれている宝玉です。
長年ルビーとされてきましたが、後にスピネルと判明しました。
現イギリス女王 エリザベス2世の戴冠式の際に王冠の中央に誂(あつら)われ、
現在はロンドン塔に保管されています。

ちなみに、黒太子のルビーは重さ170カラット(34g)、大きさ約5×4㎝であるとのこと。
自己調査の結果、兎尾珈琲店 冷蔵庫の卵(Mサイズ)と同じ大きさでした....

                                                                

2008.10.22

《スフィンクスに問いかける人》


《The Questioner of the Sphinx.》エリフ・ヴェダー/1863年/カンヴァス・油彩/92.4㎝×107㎝/ボストン美術館

砂に埋まった廃墟の夜。
ひそやかに訪れ、スフィンクスの
口元に耳を当てている男がいます。


何か 聞こえるのでしょうか。


作者のヴェダーは、スフィンクスについて「自然の不変の法則を前にした人間の絶望」というイメージを持っていました。
これを受けて、世界美術大全集(小学館)では、画中の男性は「恐怖におののきながら、人生の神秘について尋ね」ていると解説しています。

月明かり受けるスフィンクスと男。
聞こえるのは 自分の心の声かもしれません。

                                                                

2008.10.21

神の宿る松


tuuro_convert.jpg
江戸川区小岩の善養寺さんに来ました。

神仏の化身といわれる「影向(ようごう)の松」を
見てみたかったのです。

石畳に影をつくっているのは 松の枝です。




matsu_convert_.jpg


   松の幹です。
   
   樹齢約600年。苔やシダを生やしています。
   硬い皮にそっと触れると、内に温かさを
   感じました。



matsu_uekara_convert.jpg

上から見た松です。

枝下面積は800㎡。
松の下は清浄な空気が流れており、
心が洗われます。


繁茂面積は、香川県真覚寺の岡野松と
日本一を争っていたようですが、
残念ながら岡野松は枯れてしまいました。

例年、10月に"影向菊花大会"が始まり、境内に様々な菊が展示されるようです。
お近くにお住まいで ご興味のある方は、行かれてみてはいかがでしょうか。
地元の普通のお寺で周りには何もありませんが、影向の松は一見の価値があります。

                                                                

2008.10.19

《Weeki Wachee spring, Florida》

  600px-Weeki_Wachee_spring_10079u.jpg
   《Weeki Wachee spring, Florida》/トニ・フリッセル氏 撮影/1947年/アメリカ議会図書館

光をまとい、音も立てずにたゆたう女性。
あるいは、頭から、上にある水面に飛び込んでゆくようにもみえます。

水中において水を感じさせない、透明で不思議な空間が作り出されています。

こちらはフロリダ州、ウィキ・ワチー スプリングス(泉)で撮影された作品です。
ウィキ・ワチー スプリングスは当時より観光地として開発され、水中劇場が建設されました。
現在も"人魚"たちのショーを行っている遊園地として有名です。
こちら→ Weeki Wachee springs がそのサイトです。

※上記サイトは遊園地です。上の写真とは雰囲気が違いますので、スイッチを切りかえてご覧下さい!

                                                                

2008.10.15

ボード・コルディエ

Bellebonnesage_convert.jpg
『Belle, bonne, sage(美しく気立て好く賢い女(ひと)よ)』/
ボード・コルディエ(Baude Cordier)/ロンドー/シャンティ写本



愛をうたう ハート型の楽譜。

作詞・作曲したコルディエ(Cordier)の
cor を掛けているといわれています。
cor は、ラテン語で心臓をあらわします。


二枚目の楽譜はコンパスを使って
書かれた作品です。

タイトルは "私はコンパスで作曲された"
そのままです。425px-Cordier_circular_canon_convert.gif
左上の円の詞は、この曲がカノンでうたわれる
ことを示しているそうです。

二枚目:『Tout par compas suy composés』/
ボード・コルディエ/カノン-ロンドー/シャンティ写本



心震わせる想い。祈り。
それらは波となり、時代を超えて 人々の心に
波紋を描き続けていきます。

上に挙げたそれぞれの音楽(メロディ)を
聴くことができます。

ウィキペディアのボード・コルディエ
ページ下の外部リンク先"Baude Cordier の音楽"
から、音楽を聴くことのできるサイトに飛べます。
サイトは「中世音楽のまうかめ堂」様。
曲を製作されたのも まうかめ堂様です。
お邪魔して、聴いてみたのですが...個人的には素朴な美しさの中に溶ける懐かしさというか、
明るく透明な哀しみを感じました。

※ご訪問される際は、まうかめ堂様のルールに則ってお楽しみ下さい。

                                                                

2008.10.14

歌川国芳 「なまづ」

Cats_forming_the_caracters_for_catfish_convert.jpg
ネコ15匹、ナマズ4+2匹によるコラボレーション。
歌川国芳(1798-1861年)の作品です。

左上には、「猫の當字(ねこのあてじ)」
と書いてあります。

中央は、 な ま づ

な ま 川  に見えますが、
「川」 は変体仮名で 「つ」 と読みます。
「つ」 の右には手まりが2つ。
これで、「づ」と読むわけです。

ちなみに、英語でネコは cat。
ナマズは catfish です。
おそろしく 工夫された作品です...

                                                                

2008.10.12

緑鉛鉱(パイロモルファイト)

 Pyromorphite_Chine_convert.jpg
 パイロモルファイト(中国産)/Géry Parent 氏所有・撮影/2008年6月19日

パイロモルファイト(Pyromorphite)の名前の由来は、ギリシャ語で「火」の意味の pyr と、
「形」という意味の morphe が合わさったもの。
溶融後 冷却すると結晶化するため、このような名前がついたと思われます。
手入れには、水道水を使うと不純物により色を損なう恐れがあるため、蒸留水を使います。

石の「力」としては、各々の長所を引き出してまとめ、ひとつの強いエネルギーへと導くようです。
ですが、その効力・美しさにも関わらず、アクセサリーとしてはあまり流通していません。
手入れが面倒なことや、鉛を含むこと、見た目より重いこと などが原因でしょうか。

無理に身に付けることは、石にも人にも負担がかかりそうですので、お勧めしません。
アクセサリー用に加工されているもの以外は、飾って愛でるのがよさそうです。

                                                                

2008.10.09

《クォ・ヴァディス》

noboru_kitawaki.jpg
北脇昇/1949年/カンヴァス・油彩/91.0×117.0cm/東京国立近代美術館

東京国立近代美術館所蔵
作品 第2弾。

「クォ・ヴァディス(Domine,)quo vadis」とは、ラテン語で「(主よ、)いずこへ行き給うぞ」の意。


白い大地に佇む後姿の男性。
力が抜けたような、どこか
空虚さのただよう作品です。


後姿の男性は、画家の自画像であり、敗戦後の岐路に立つ「日本」であると推測されています。
左の巻貝は、これまでの古い殻。 殻を抜け出し、新しい世界に踏み出していくのです。

男性の右に 道標があります。
道はありません。
道をつくっていくのは 彼自身だからでしょうか。

実物は、こちらの絵よりも色味を感じ、やわらかい印象を受けました。
また、時代の急激な変化に戸惑う 画家の複雑な心情が、より反映されているように感じました。

                                                                

2008.10.08

《騎龍観音》

naojiro_harada_convert.jpg
原田直次郎/1890年/カンヴァス・油彩/272×183㎝/日本、護國寺(東京国立近代博物館 委託)

東京国立近代博物館で観てきた作品の
一つです。
実物は、3メートル近い大きな絵画。
額縁は金色で、卍(まんじ)の装飾が
施されていました。

右の絵ですと、やわらかく見えますが
実物は大変な迫力です。
特に、龍。
鋭い爪、鞭のようなヒゲ、爛々と光る 眼。
自分も、前の人も、後から来た人も、その気迫に
ほぉー… と 思わず声をもらしてしまいました。
傑作を前に、ちょっとした一体感を味わいました。

観音様は、柳の枝と水瓶を手にしていることから、
病を祓い清める 楊柳観音 と推測されています。

                                                                

2008.10.07

If you build it, he will come.

 Wheat_harvest_convert_.jpg
 小麦の収穫/パルース地方/米国農務省(USDA)撮影

この写真を見て、フィールド・オブ・ドリームスという映画を思い出しました。
主人公は37歳。
父親への反発から遠く離れた地に進学、学生運動を経て結婚。
以来妻の故郷で平凡な農業生活を送っていましが、ある日、自分の畑で不思議な
「声」を聞くのです。

"If you build it, he will come." ―それをつくれば、彼は来る。

それとは何か。彼とは誰か。
確信は持てないものの、自分の心に従い、生活の糧である畑を潰して野球場をつくります。
経済状況が厳しくなる一方で、野球場には何事も起こることなく、過ぎていく日々。
諦めかけていたある日、野球場に ある人影があらわれて…

それをつくれば、彼は来る。
「build」は、事業や財産、関係や秩序、人格などを「つくる」という意味でも使用できるようです。
もし主人公のように「声」を聞いたならば... 皆様なら、何をつくりますか?
つくったものによっては、思わぬ何かがやってくるかもしれません...

                                                                

2008.10.06

ゆったりできる美術館


TheNationalMuseumofModernArtTokyo.jpg東京国立近代美術館に行ってきました。

毎月第1日曜日は、所蔵作品展の
無料観覧日なのです。

混んでいなくて良いとは聞いていたの
ですが、本当に人が少なく、ゆったり
できました。

所蔵品は巻物、屏風絵、彫刻、版画、
写真など、さまざま楽しめます。
後日、作品を一つでもご紹介できればと
考えています。
takebashi.jpg
竹橋付近の内堀通りも、今日は
静かでした。
金木犀のいい香りがしました。

中央の水面は、皇居の大手濠。
奥の橋は平川橋です。
平川橋を渡ると平川門があり、そこから
皇居東御苑に入ることができます。

穏やかな秋の一日でした。

                                                                

2008.10.04

それぞれの祈り

《Portrait of a Young Girl》ソフィー・アンダーソン/カンヴァス・油彩/個人蔵

彼女は何を祈るのか。
彼は、何を 祈るのか。



《An Apostle with Folded Hands》アンソニー・ヴァン・ダイク/1618-20年/パネル・油彩/ベルリン美術館・絵画館











   別々の画家の作品ですが、並べてみました。
   それぞれの人生の長さや経験が、
   映し出されているように思います。



もし、3枚目の絵があって、そこに描かれている人物が 自分だったとしたら。
どんな顔をしているのだろうか、と ふと思いました。
そして、何を 祈るのだろうか、と。

右: 《Portrait of a Young Girl》 ソフィー・アンダーソン/カンヴァス・油彩/個人蔵
左: 《An Apostle with Folded Hands》 アンソニー・ヴァン・ダイク/1618-20年/パネル・油彩/ベルリン美術館・絵画館


                                                                

2008.10.03

宇宙でも空気を読みかねない

 SouthPoleStation_convert.jpg
アムンゼン・スコット南極基地/Chris Danals 氏(アメリカ国立科学財団)撮影/2005年7月

南極の最も奥に存在する基地です。
2008年に、12年越しの新施設が完成したばかり。
建設にあたり、船で資源を運ぶことが不可能なため、建材はすべて空輸されました。
極地は半年間 昼、残りの半年間 夜が続き、気温は−13.6℃~−82.8℃まで
観測されたことがあるそうですが、新基地内部では1年中、夏のような状態で生活できるようです。
もはや宇宙基地。 大変な科学力です。

みんなで力を合わせれば、とても大きなことができます。
では、「みんなで力を合わせる」ということは どういうことなのでしょうか。
それぞれに答えがあって、微妙にずれが生じているのは当然なのですが、
その"ずれ"を諦める方向で「協調」してしまう場面が最近、多いような気がします... 自戒もこめて。

しんどいけど、行かなきゃいけない。 やりたくないけど、やらなきゃいけない。
しょうがないから。

「空気を読」み、みんなが何か実体のないものに協調して、みんなで疲れてしまっているようにも
思えるのです...

                                                                
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