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2009年10月 の記事一覧

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2009.10.30

《古い物語》 別題 《永遠の喜劇》

histoire.jpg
フェリシアン・ロップス/1867年/ボード・油彩/33.0×27.0cm/姫路市立美術館

わらう仮面。
目元の暗い素顔の女性。

ベルギー幻想美術館 展示作品
第五弾です。

タイトルは、古くから変わらず続く
女性の二面性を表現している
そうです。
二面性とは、奔放な素顔(娼婦)と
貞淑な仮面(淑女)です。

フェリシアン・ロップスの作品について
は、エッチング( 腐食銅版画 )が、
多く展示されていました。
その中で、油彩、そして画面の半分を
占めるドラマティックな赤背景を持つ
この作品は 少なからず目立ちました。

音声解説付き作品であったかと記憶していますが、それを差し引いても、惹き付けられて立ち止まるお客さんが
多かったように思います。
奔放な素顔 と 貞淑な仮面。 娼婦 と 淑女。
私は、解説をよく読むまで、絵のどちらが娼婦で淑女なのか よく分かりませんでした。

素顔の、隈ができている様にも見える 暗い目元。
見開かれたような、それでいてどこか虚ろな眼差し。
目近で見た口元は、無防備ながら 微妙に笑みをたたえており、自らを わらっている風にも見えました。
くつろげない赤い部屋で、「 役割 」から 一時的に解放された女性が 束の間にみせる表情のようにも思えて、
少し胸が痛みました。

また、ロップスは、偽善的モラルに覆われた社会を批判し、人間の本来的な姿を表現しようとした作家ですので、
この絵は 当時の、実際の娼婦の心情・切実さを、そのまま表した作品であるかもしれない とも思いました。

以下は作家情報です。
ロップス(Félicien Rops、1833‐1898)はベルギー、ナミュール生まれの画家、版画家です。
裕福な家庭に育ちますが、次第に反教義的考えを持つようになり、ブルジョア的モラルや 伝統的絵画技法に
反する作品を制作し続けました。
作風は、華やかさの影に隠れた人間の暗部を表現するものであり、多分にエロティックで悪魔的、反道徳的、
挑発的です。パリで発禁になったため、ブリュッセルで発表された作品もあります。
ボードレール、ペラダン、マラルメ等、同時代の文学者と親交を持ち、彼らの作品に多くの挿絵をつけました。

これで、ベルギー幻想美術館展示作品のご紹介は、終了です。
姫路市立美術館では、 象徴派から現代まで ベルギー美術の変貌 が10月31日(土)~12月13日(日)まで、
開催されています。
ベルギーコレクションの充実している姫路市立美術館、お近くにお住まいの方は 一度、いらしてみては
いかがでしょうか。

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2009.10.22

《夜の中庭 あるいは陰謀》

         conspiracy.jpg
         ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク/1895年/紙・パステル/40.9×62.1cm/姫路市立美術館

ベルギー幻想美術館 展示作品 第四弾です。

中庭で、三人の女性が 謀(はかりごと) をしています。
上方に青く見えるのは、空ではなくて 鎧戸。
井戸のかたちから、ここがヴェネツィアであることがわかるそうです。

上の絵よりも、実際に見た感じはもっと緑がかっていて、全体的に青緑色です。
クレヨンで描かれたかのようなやわらかい絵の窓辺には、ぽつぽつとピンクや白の花が描かれており、
それなりの存在感を醸し出していました。
人物は、おかしみのある豊かな表情をしており、まさに「井戸端会議」的なひそひそ感を持っていました。
もっと大画像で見て頂きたかったのですが、これ以上の大きさが見つかりませんでした。残念です。

個人的には、全体的に青が基調であるにもかかわらず、この作品からは、あたたかみと
親しみやすさを感じました。
グザヴィエ・メルリの 《イタリア・ルネサンス》 の青とは 全く違う印象です。

井戸端会議的な人物の表情は、精神状態によって愉快に感じたり、そうでなかったり
するのではないかと思います。

作家情報は、ライフが0に限りなく近づきつつあるので省略させて頂きます ...すみません。
そのうち書き足すかもしれません。

                                                                

2009.10.21

《女性習作》

         woman.jpg
         フェルナン・クノップフ/1900年頃/ボード・鉛筆・色チョーク/28.6×28.6cm/姫路市立美術館

ベルギー幻想美術館 展示作品 第三弾です。

クノップフの作品はこのほかにもあり、そのうちの一つは展覧会の目玉でもありました。
しかし、個人的に、一番惹かれたこの作品をご紹介します。
この作品は、タイトルのみで、展覧会にも 所蔵元の姫路市立美術館にも 解説がありませんでしたので、
管理人の感想になります。

一言で言うと、驚くほど繊細な作品でした。
目近でみると一見雑な風に見えるけれど、遠めで見ると とても美しいという作品は多いと思います。
しかし、こちらの絵は 近くで見ても、否、見ればみるほど隙がなく、極めて丁寧に描かれていました。
計算しつくされている感じです。
上絵では分かりにくいですが、顔は、輪郭部分の青を少し濃くすることで、背景と境界がつくられています。

女性の肩の、獅子のような面が何なのか気になりました。
色々検索してみましたが、どこにも書いてありませんでしたので、自分で調べてみました。
その結果、ルネサンス時代の甲冑装飾からヒントを得ている可能性があるのではないかと思いました。
例えば、こちら→ 軽装兜 "Alla Romana Antica" ウィーン、美術史美術館蔵
もう少し詳しいのが、下のイタリア語のサイト(スレッド)。下がってゆき、  9枚目の甲冑の肩 
(右向きで頭に鳥が乗っている写真です)に ご注目下さい→ [ARTE] NEGROLI il "magnifico"...

9枚目、10枚目の甲冑の獅子は、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが倒し、その皮を鎧にしたという
"ネメアの獅子" です。 その上にはペルセウスの倒した "メドゥーサ" の頭があります。

クノップフは、他の作品でも甲冑の女性像やメドゥーサを描いていること、そして 彼の最初の、また
実質的に唯一の師であったグザヴィエ・メルリ
*1)が、イタリア・ルネサンスの影響を受けていること、
こういった経緯から、女性の肩の面は(甲冑装飾の)ネメアの獅子をモチーフにしたものかも知れません。
勿論、あくまで素人の想像にすぎませんが...。

長くなってしまいましたので、画家情報は割愛します...。
*1)世紀末と象徴主義 世界美術大全集 西洋編24 より抜粋

グザヴィエ・メルリの作品はこちら → 《イタリア・ルネサンス》

                                                                

2009.10.14

光と影 Ⅱ

 Vejleaa_kirke_ishoej_denmark_lightpattern.jpg
 ガラスモザイク越しに降り注ぐ日の光 (デンマーク、イソイ教区のVejleå教会) /Ib Rasmussen氏撮影/2006年6月11日

 光を見つめるのが好きです。
 窓から室内に差す光を見ていると 心が透明になり 淡い幸福感に包まれます。

 自分に光が当たるのは 少し苦手です。
 光に当たると影が落ちるからです。
 光を受けたときの あたたかさと被赦罪感。
 それが 自分が罪深い肉の塊であるという現実を胸の内に落とすので 顔を上げられなくなるのです...


                                                                

2009.10.11

《イタリア・ルネサンス》

italian.jpg
グザヴィエ・メルリ/1890-92年/ボード、水彩・木炭/78.0×59.6cm/姫路市立美術館

上半身を捻り、こちらを見遣る女性。
青い羽根をもつ少年。
聖母マリアと天使でしょうか...。

ベルギー幻想美術館作品 第二弾です。

女性の足元のプレス機、その右方のギリシャ風の
柱頭、パレット、ハンマーは、いずれもイタリア・
ルネサンスを象徴するモチーフなのだそうです。

背景は褪めた黄土色のようにみえますが、実際は
古い豪奢な額縁の様な 暗い金色です。
少年(天使)の膝など、陰影は黒茶にみえますが、
総じて青色で描かれていたように記憶しています。
(ですから作品が青みがかってみえました)
目近でみた人物の目元は翳っており、感情を抑えた
静かな表情をしていました。
沈思黙考しているようで、どこか虚無感を感じさせる
ようでもありました。

あくまで個人的な感想ですが、青みと曲線的なフォルムが、作品をやわらかくみせているように思いました。
また、作品全体の色や人物の表情が暗く、心が沈んでいく感じがしました。
《墓所に立てる三人の聖女》 に感じたような"暗い安らぎ"は感じませんでした。 ...面白いと思いました。

以下は画家情報です。
メルリ(Xavier Mellery、1845-1921)は、ベルギー、ブリュッセル生まれ。
クノップフの師であり、ベルギー象徴派の主導者の一人ですが、当初は貧しい労働者をテーマに絵を描いて
いたそうです。
若い頃、イタリアに留学した際にルネサンス画家のマンティーニャに傾倒したそうで、上に挙げた作品は、
少なからずその影響を受けていると思われます。
日本で比較的知られている作品には 《秋》 があります。
兎尾珈琲店 倉庫には 《夕べの礼拝の後で》 という作品があります。いつかUPするかも知れません...。

                                                                

2009.10.07

《墓所に立てる三人の聖女》

3femme.jpg
ジョルジュ・ミンヌ/1896年/木彫/61.0×47.0×19.5cm/姫路市立美術館

深く俯く三人の聖女。

大変遅くなりましたが、ベルギー幻想
美術館 展示作品をUPします。

タイトルにある墓所とは イエスの墓。
三人の聖女は彼の死後、空になった
墓を目にし、イエスの復活を知ります。
三人のマリアとも呼ばれます。

展覧会では、大人の目線よりも下に
展示されており、照明の効果からか
顔下に長めの影が落ちていました。
それもあってか、実際に観た印象は
写真よりもさらに陰鬱 かつ 暗示的で
あったように思います。

個人的には、この作品を鑑賞して、
自分の暗い心が表にでてくるような感覚と、それに対する安らぎを感じました。

芸術作品を鑑賞すると、心底に暗い気持ちがあることを確認して 安らぐことがあります。
深く追究した事はありませんが、どういうわけなのだろうと ときどき思います。

この場面は、様々な画家によって描かれていますが、聖女の顔が全く隠されている作品は珍しいと思います。
顔の表情を窺うために、腰を屈めてヴェールの下を覗くお客さんも多かったです。

以下は作家情報です。
ミンヌ(George Minne、1866‐1941)はベルギー、ヘント生まれの芸術家です。
建築を学ぶために王立アカデミーに入学しましたが、そこで絵画や彫塑に惹かれていき、後にベルギーの前衛的美術サークル「レ・ヴァン(二十人会)」に参加、活躍しました。
ゴシック彫刻に憧れており、作品にはその影響がよく表れているそうです。
ヘント生まれの同時代人にメーテルリンク(代表作『青い鳥』)がおり、彼の作品に木版画をつけたこともあります。

                                                                

2009.10.05

なんとか... 回復しました

White_dog_on_white_stairs.jpg10月1日から4日まで臨時閉廊しておりました。
その期間に来てくださった方々、まことに
失礼いたしました。
この場を借りてお詫び申し上げます。

臨時閉廊の原因は、PC の不具合に対する
管理人の誤った本気です。
もともと不調であったPCの環境を整えようと
素人(私)が本気を出して取り組んだところ、
改悪スパイラルに陥り、やがて復元も不可能、
素人には解読不可能な用語 続出。

例:「プロシージャエントリーRun Setup commandw がダイナ
ミックリンクライブラリADVPAK.dllから見つかりませんでした」


PCは瀕死状態に。

最終的に何とかなったので良かったのですが...
本当に参りました。 そして再認識しました...。
誤った方向へ本気をぶつけると、とても痛いです...

もう一つ。
Internet Explorer 8 にも対応できるようテンプレートを変更しました。
これまで頂いたコメントは、タイトルが表示できなかったのですが、できるようになりました。
テンプレートの色はこちらで全面的に変更させてもらい、以前よりも少しやわらかな雰囲気に
してみました。

素人管理人のブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。

兎尾珈琲店 店員 ginaso

                                                                
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